介護の職の宮原〜認知症は早期発見早期治療を〜

介護の職の宮原

認知症は怖い?

人間年齢を重ねていくと、身体のあちこちに、なんらかの症状が発生するものです。

膝が痛い、手が痺れる、腰が痛い・・・

もちろん、脳にもなんらかの症状が発生してしまう事もあります。

年齢がいってから、脳になんらかの症状が起こるといえば、認知症を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?

認知症の症状

認知症になってしまうと、暴れたり、徘徊したり、世話をしている方を泥棒呼ばわりしたり・・と、全然良いイメージがないのではないでしょうか?

もちろん、上で紹介した症状も認知症の症状の1つではありますが、実際には、認知症の症状というのは千差万別で、全員が全員、徘徊したり、暴れたり、泥棒呼ばわりしたりするわけではありません。

何が起こるかは、認知症になった方の人生経験や、生まれ持った性質により、変わってきます。

認知症は治らない?

年齢を重ねるごとに、発生しやすくなる認知症ですが、治ることはあるのでしょうか?

インターネット広告や、一部書籍などでは、「認知症が治る!」的なことが謳われたものを目にしますが、私の知るところでは

進行スピードを抑える

初期段階なら治る(止める)

ものしか、知りません。

無論、中には症状が改善した方がいらっしゃるという話も、全く聞かなかった訳ではありませんが、非常に稀で特別なケースのようです。

認知症になったら諦めるしかない?

では、認知症になってしまうと、諦めるしかないのでしょうか?

いいえ、諦める必要はありません!

専門医や、専門家の指示を仰いで対処すれば、認知症になった本人や、世話をしなければならないご家族の方々の負担も、グッと減らすことが可能です。

介護が必要なご家族がいらっしゃる時は、要介護者の住まれている地域に”地域包括支援センター”と言うものが必ずあるはずです。
悩んでいるより相談に行くようにしましょう!

それよりも恐ろしいのは、認知症になっているかもしれないのに

「ちょっと物忘れしちゃっただけ!」

とかいって放置しておくこと、また、正しい認知症の知識がなく、認知症の方と付き合う事です。

ゲーム感覚でやってみよう長谷川式!

さて、認知症を扱ったドラマや、映画などで、お医者さんが

「簡単な計算をしますね〜」とか「次の言葉を繰り返してくださいね〜」

などと、やっているのを見たことがないでしょうか?

実は、あのテストは長谷川式認知症スケールという、簡単なテストです。

9つの質問で、30点満点のテストです。

20点以下の点数だと、認知症かもしれないという恐れがあるので、その後、血液検査やMRIなどの検査を行います。

こう書いてしまうと、20点以下は認知症なの!!

と思ってしまう方もいるかもしれませんが、あくまで目安ですので、20点以下だからといって、必ずしも認知症であるとは限りません。

あくまで目安です。

長谷川式認知症スケールって?

日本老年医学会ホームページより

長谷川式認知症スケールとは、上の表になります。

障がいがない人から見ると、簡単なテスト問題に見えますが、試しに一度トライしてみてください。

やり方は、2人1組なり質問者と、受け手に別れて質問に答えるようにします。

質問者は、問題を見せないように行いましょう。

ゲーム感覚で行うと、結構盛り上がります。

実家に帰った時に、アナタの父親や、母親に試してみるのも良いでしょう。

ただ、「今から認知症テストするかね!」などと言ってしまうと、「ボケてないわ!」と怒られるかもしれないので、あくまでゲーム感覚で参加させるようにしてみましょう。

また、認知症は高齢者だけでなく、20代の若い方でも発生する事がありますので、「最近パートナーの様子がおかしい・・」とか思ったら、誘ってみるのもアリかも知れません。

若年性の認知症は、家族や他人より、本人が一番早く気がついている事が多いです。

長谷川式認知症スケールでテストを行ってみて、20点以下であったり、日にちを置いてテストを行い、急激な点数の低下があれば、主治医にそれとなく相談してみたり、脳神経外科を受診してみるのが良いでしょう。

もし、受診して認知症でなければ、それはそれで安心できるでしょうし、認知症であれば早期発見ができたことになるので、認知症の進行を遅らしたり、抑えたりできるので、本人や家族の負担も、大変楽になるはずです。

認知症に限らずですが、重篤化した状態まで放置しておくのは、本人にとっても、家族にとっても、本当に辛いものです。

年に数回で良いので、長谷川式認知症スケールを行い、早期発見早期治療を心がけることで、誰にもより良い人生を謳歌してみてはいかがでしょうか?

ちなみに

ちなみに、我が家でも長谷川式認知症スケールを行なってみました。

私・妻(48歳)・・・30点(満点)

息子(12歳)・・・・29点

父親(74歳)・・24点

母親(72歳)・・25点

でした。

とりあえず、父親と母親が20点以下でないのに安心でしたし、テスト自体も楽しんで受けてくれました。

とはいえ注意点も

とはいえ、長谷川式認知症スケールで20点以上だったからと言って、安心はできません。

認知症と言っても、アルツハイマー型認知症、血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症とさまざまな、違った原因のものがあります。

「あれ?なんだか変だな?」と思ったら、恐れずに受診をおこなったり、受診を促してあげるようにしましょう。

繰り返しになりますが、認知症初期の段階で早期治療を行えば、「ちょっと物忘れがひどいかな」くらいの症状で抑える事もできるかも知れませんし、場合によっては改善の見込みもあるでしょう。

重篤化するまで、放置しておく・・これが一番、本人にも面倒を見る家族にも辛い事になってしまいます。

認知症は、65歳以上の高齢者の5人に1人は、発症すると言われている病気です。

特別な病気ではありません。

誰にでもなる可能性のある、普通の病気の1つです。

恐れたり、恥ずかしがたりしないで、早期発見早期治療を心がけましょう!

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